千葉県知事選で29日、自民党県議の約半数が支援した森田健作氏が、民
主党推薦候補らを破って当選したことで、自民党では、民主党内の小沢一
郎代表への不満が高まって足並みが乱れることへの期待感が出ている。公
明党からも「民主への追い風を食い止める結果になった」などとの声も出
た。ただ、自民党細田博之幹事長は29日夜、都内で記者団に「森田氏
の勝因は高い知名度だ」と述べた。西松建設の違法献金事件をめぐる小沢
氏への批判の影響についても「多少はあるだろうが、知事選だから大きな
影響とも思えない」と指摘。今後の与野党攻防への波及に関しては「効果
は中立的だ」などと語った。

 

民主党推薦の候補が知名度の点では森田健作氏に及ばなかったこともあっ
ただろうが、小沢代表の秘書が逮捕され起訴されたことで、民主党への逆
風が吹いたことも少なからず影響したはずだ。森田氏の得票は101万5
978票、投票率は45・56%で民主党をはじめ野党が推薦した吉田平
氏は636991票と圧倒的大差を付けての圧勝であった。この敗北が即
小沢代表の責任になるわけではないが、民主支持層が離反しつつある事実
民主党執行部に突き付けた。与党にとっては、森田氏が当選したことで
少なくとも民主党の勢いを削ぐ結果を手にした。3月下旬から4月にかけ、
全国で289もの地方選挙が行われ、このミニ統一地方選与野党の攻防
戦が展開される。次期衆院選の流れを見極める戦いとして、注目しなけれ
ばならないだろう。