AP通信は2日、複数の国防総省高官の話として、北朝鮮咸鏡北道舞水
端里にある長距離弾道ミサイル発射施設で、発射台周辺に燃料注入のため
のトレーラーや車両が止まっており、燃料注入が開始されたと報じた。あ
る情報当局高官は、北朝鮮が4日にミサイルを発射しようとして準備を進
めているとの見通しを示した。これに関連して、米軍高官は米CNNテレ
ビに対し、北朝鮮がミサイル発射に向けた「最終段階」に入ったとの見方
を明らかにしたほか、米政府高官も2日のロンドンでの米韓首脳会談後、
北朝鮮が発射に向けた作業に着手したとの認識を示した。そのうえで発射
をとどまるよう「最大限の努力を続けている」と述べた。北朝鮮は4月4
日から8日の間に「衛星」を打ち上げると国際機関に通報している。

 

現地の天候にもよるだろうが、北朝鮮弾道ミサイルを発射するのは4日
に間違いないだろう。この段階で発射中止を決断することは考えにくく、
国際社会の非難を一身に浴びる中での強行となる。予定通り我が国のはる
か上空を飛びこして、太平洋に着弾することとなるであろうが、問題なの
弾道ミサイルを発射したと言う事実を、国際社会がどう対処するかであ
る。安保理にかけてところで、北朝鮮と利害関係に無い国にとっては、正
直なところ無関心なことと思われ、今後の対応は一筋縄ではいかないはず
だ。批判の声明を出すのは容易だが、実行性のある対応となると続かない
のである。我が国としても、国連にだけすがるのでは無く、周辺国を巻き
込む形で北朝鮮と対峙すべきではなかろうか。