麻生太郎首相は6日午後、首相官邸与謝野馨財務・金融・経済財政相と
会い、政府・与党が検討している追加経済対策の財政支出について、国内
総生産比で2%を超える規模とするよう指示した。政府はこれを受け、「
真水」と呼ばれる財政支出が10兆円を超える2009年度補正予算案を
編成する。首相は与謝野氏に対し「他の先進国を超える直近の落ち込み幅、
国際協調の観点を踏まえて対策を打つ」と強調。

 

新年度早々、北朝鮮弾道ミサイル発射実験に振り回された我が国である
が、リーマン・ショックを発端とする景気後退への対応は喫緊の課題だ。
今回、麻生首相が指示した追加対策では非正規労働者への新たな安全網構
築、企業の資金繰り対策の充実、太陽光発電の大幅拡大、介護・地域医療
に対する国民の不安除去、自治体による地方活性化策の支援の5点を打ち
出している。経済対策を景気回復の“ロケット”とすべく、大型補正予算
案を組んだ上、これを通した後に衆院解散が麻生首相のシナリオとなるだ
ろうが、民主党は小沢代表の公設秘書が起訴された打撃もあり、どう反撃
するかが課題であろう。選挙の顔としての役割を封じられた小沢代表を切
るタイミングを計っているとすれば、勝機は十分にあるはずだ。