河村建夫官房長官は10日午前の記者会見から、北朝鮮が「人工衛星」名
目で打ち上げた長距離弾道ミサイルを公式に「ミサイル」と呼び始めた。
政府はこれまで「飛翔体」「ミサイル関連飛翔体」などと表現していたが、
河村長官は「人工衛星の実態がない。ミサイルと断定した衆参両院の決議
もあるので、政府として『北朝鮮のミサイル発射』という表現にした」と
説明した。ただ、ミサイル発射が実際に人工衛星の打ち上げを試みたもの
かどうかについては防衛省が分析を進めており、河村長官は「最終的には
さらに分析を要する」と断定を避けた。「飛翔体」の表現には自民党など
から批判が出ていた。

 

ミサイルを飛翔体と表現することは、我が国が何の危機感も無いと誤解さ
れるようなものである。国連安保理で新たな決議を求めていると言うのに、
本国では飛翔体としていては、新決議に慎重な中露などに足元をすくわれ
かねない。宇宙より北朝鮮に向けて歌を流しているとされる人工衛星が、
果たしてどこを飛んでいるのか、北朝鮮がそれを証明出来ない限り、衛星
の打ち上げでは無く、あくまで弾道ミサイルの発射実験であったと言う姿
勢は崩してはならないだろう。全ての要求が通らずとも、肝心の部分を通
してこそ意味がある。いささか遅きに逸した感のある政府の対応だが、崩
壊すると言われながらも生き長らえてきた北朝鮮を相手にするのであるか
ら、こちらもブレない姿勢が必要である。