民主党はよく言って多様性があるが、統一された政策を持っていない」
訪米中の安倍晋三元首相は17日のワシントン市内での講演で、民主党
外交・安全保障政策を批判した。質疑応答の際、会場から民主党政権にな
ったときのことを聞かれたのに対して答えた。元首相はこのなかで「小沢
一郎代表は在日米軍について第7艦隊以外いらないと言っている。前原誠
司副代表なら自民党とほとんど変わらない。なかなか予測がつかない」と
述べ、自民党が引き続き政権を担うとアピールした。元首相は講演で「民
主主義国家において政治家は人々の耳に声を傾け、必要な行動をとる責務
を負っている。そのとき問われるのが政治家の意思だ」と述べ、政策を実
現する実行力の重要性を強調した。

 

小沢代表の公設秘書が逮捕されたことで、有権者民主党離れが続いてお
り、小沢代表を担いでの次期衆院選では、民主党は勝ち切れない可能性が
出てきている。その際に民主党内の反小沢勢力を糾合出来るのは、小沢代
表と距離を置いている前原副代表となるだろう。与党が過半数を取ったと
ころで、参院を野党が押えている以上は、衆参のねじれは解消されない。
再議決の選択肢が消滅し、国政は今以上の停滞となることは誰の目にも明
らかである。主義主張の違う野党連合が数合わせで政権を握っても、それ
は同じではないか。自民・民主ともに勝ち切れずに第三勢力と結ぼうにも
小選挙区制では小・中政党が生き残るのは難しい。結果的に主義主張の似
通った議員を他党から引き抜いて、過半数を押さえることが起きるだろう。
本来なら第三勢力として台頭するのは平沼グループの役割だろうが、キャ
スチングボードを握るだけの議員を送り込めるかは難しいだろう。