民主党名古屋市長選の推薦候補応援に幹部の相次ぐ投入を計画し、西松
建設の違法献金事件の逆風をはねのけるのに躍起になっている。18日に
は、菅直人代表代行が先陣を切って名古屋入り。19日には鳩山由紀夫
事長が続き、小沢一郎代表は22日にも応援に入る方向だ。菅氏は18日、
名古屋市昭和区で、約200人を前に街頭演説を行った。「納税者の立場
から税金の使い道を監視する立場に立つか、官僚が権力をふるえるから税
収が多い方がいいという立場に立つかが争点だ」と訴えた。終了後、記者
団から「事件の影響で党勢が衰えているが」と水を向けられると「推薦候
補に当選してもらえれば元気をもらえるというプラスはある」と語った。

 

小沢氏の公設秘書の起訴後、民主党は千葉、秋田の両知事選で連敗してお
り、名古屋市長選は絶対に落とせないところであろう。民主党が推薦する
のは、知名度の高い前衆院議員の河村たかし氏であり、民主王国の愛知県
ではさすがに当選するはずだ。取りこぼすことの無いはずの選挙で勝った
ところで、党勢が回復すると思っているようでは、さすがに甘いと言わざ
るを得ない。対抗馬である自民、公明両党の県組織が支持する元中部経済
産業局長細川昌彦氏も激しく追い上げている状況で、有権者から未だに疑
惑の目を向けられている小沢代表が応援に入ることは、少なくともプラス
にはならないのではないか。また小沢代表を支えることを決めた執行部と
て同様であろう。河村氏が勝つことは規定路線かもしれないが、細川氏
の票差がどれだけか、そこに民主党の置かれた現実が見えてくる。