民主党小沢一郎代表は11日、党本部で記者会見し「きたる衆院選の必
勝と政権交代の実現に向け、あえてこの身をなげうち民主党代表の職を辞
することを決意した」と辞意を表明した。辞任理由としては、自身の進退
を巡る党内の混乱を挙げて「自ら身を引くことで民主党の団結を強め、挙
党一致をより強固なものにしたい」と述べ、公設秘書が逮捕・起訴された
政治資金規正法違反事件の責任をとっての辞任ではないことを強調した。
この時期に辞任を表明した理由については「連休中、熟慮し、決断した」
と説明。後任を決める党代表選については「09年度補正予算案の衆院
の審議が終わるのを待った上で速やかに実施していただきたい」と語った。

 

遅きに逸した感のある小沢代表の辞任表明。民主党から申し入れていた党
首討論が13日にあると言うのに、まったくもってタイミングとしては最
悪としか言いようがない。小沢代表を担いで政権交代を目指していた、鳩
山幹事長や菅代表代行といった執行部も当然一蓮托生と思いきや、後任候
補として名が上がるくらいであるから、民主党の人材不足は深刻である。
いずれにしても執行部体制や選挙態勢、マニフェスト作りなどは全面的な
立て直しを迫られることになるだろう。小沢代表は自ら身を引くことで民
主党の団結が強まる、としているが果たしてどうだろうか。公設秘書が逮
捕されて、即辞任を決断すれば良かったとまでは言わないにしても、ここ
までズルズルと引っ張ってきてしまったのは、大失敗であろう。これで鳩
山、菅両氏が後任となるようでは、民主党は厳しい状況になる。