民主党は12日午前、党本部で役員会と常任幹事会を開き、小沢代表の辞
任を了承したうえで、16日昼に両院議員総会を開き、党所属国会議員に
よる投票で新代表を選出する日程を決めた。12日夕の両院議員総会で正
式決定する。党内では岡田克也副代表や鳩山由紀夫幹事長らを後継に擁立
する動きが本格化している。小沢氏は役員会と常任幹事会で、代表辞任に
ついて「3年間、ふつつかな私に協力、支援いただき、心から感謝申し上
げる。挙党一致すれば、国民の理解は得られると思う。2大政党に向かっ
て全力で私も戦い抜く覚悟だ」と述べ、了承された。12日夕の両院議員
総会にも出席し、正式な了承を得る。代表選は16日午前9時に告示され、
午後0時30分から両院議員総会で投票を行う。国会議員だけの投票によ
り16日に新代表を選出するのは、「小沢氏の意向」とされる。代表交代
による混乱を最小限にとどめる狙いがある。

 

小沢代表の突然の辞任表明から5日後には新たな代表が誕生することにな
るとは、いささか性急に過ぎる。混乱を最小限にとどめたいのは分かるが、
これでは代表選に出てくるのは、これまで代表を務めたことのあるベテラ
ンばかりになるだろう。事実、有力な候補として名前が挙がっているのが、
鳩山幹事長や岡田副代表と言った代表経験者ばかりである。特に鳩山幹事
長は小沢体制を支えてきた関係上、小沢代表の影響下にあると言って良い
のではないか。一方の岡田副代表は執行部からは距離を置いていたため、
小沢代表のイメージ払拭にはちょうど良いかもしれないが、党内でどれだ
けの支持が集められるかは微妙である。これで菅代表代行が動くとなると、
どれも見覚えのある顔ばかりで、果たして党勢回復の契機となるかは未知
数だ。小沢代表が西松建設側から総額で億単位の献金をなぜ受ける必要が
あったのかという疑問に、口をつぐんだまま退場したことで、民主党のク
リーンなイメージは地に落ちたままなのは言うまでも無い。