TBSが13日発表した09年3月期決算は、CM収入の落ち込みで最終
損益が38億円の赤字だった。赤字は1951年の開局以来初めて。売上
高は0.5%増の2727億円、営業利益は32.3%減の103億円で
増収減益だった。景気後退の影響で番組と番組の間に流す「スポットCM」
の収入が12.5%減ったほか、株価低迷による有価証券の評価損も響い
た。持ち株会社東京放送ホールディングスの連結決算も、最終損益91.
3%減の16億円だった。映画「おくりびと」の興行収入が60億円規模
に達した映像・文化事業や、オープンした赤坂サカスの不動産収入で増収
効果もあったが放送事業の広告収入の落ち込みをカバーし切れなかった。

 

TBSは不動産屋と揶揄されるくらいに、不動産収入が事業の柱となって
いる。放送事業がこれ以上の伸びを期待出来ない上に、濡れ手で粟の広告
事業が景気後退の影響や、企業がテレビCMの費用対効果を再考するよう
になったことが直撃している。映画事業などは当たれば大きいだろうが、
必ず当たる保障が無いために、収益の柱と考えるにはリスクが高い。番組
と言うコンテンツを抱えながらも著作権の縛りから、それを有効に再利用
出来ず、厳しい状況に追い込まれていくことだろう。地デジへの移行が思
うように進まない中、かつては我が世の春を謳歌してきたキー局も正念場
を迎えている。