国内で初めて新型インフルエンザの感染が確認されたことを受け、関西地
域で16日、プロ野球の球場で感染を防ぐ措置が取られたほか、17日に
予定されていたスポーツや祭りなどのイベントが相次いで延期や中止とな
った。プロ野球オリックスは16日、京セラドーム大阪の日本ハム戦で「
ジェット風船」の販売を停止。場内アナウンスや電光掲示板で、観客にも
風船を飛ばさないように呼びかけた。通常なら七回の攻撃に入る際にファ
ンが一斉に風船を飛ばすが、2万人を超える観客の中から風船は上がらな
かった。港町・神戸の初夏の風物詩とされる「神戸まつり」は、16日の
一部のイベントと17日のメーンイベントが中止になった。

 

ついに国内で新型インフルエンザの感染者が確認された中で、人が集まる
イベントが規制の対象となるのはやむを得ないことだろう。感染経路が気
になるところだが、学校単位で集団感染が進んだと見られ、感染した生徒
の保護者や友人も感染している恐れがある。大阪府兵庫県では公立の小
中高や保育所・幼稚園など少なくとも570校が臨時休校することとなり、
まだまだ影響が出てくるはずだ。感染者の症状が軽いことが不幸中の幸い
だが、夏を越えて秋に第2波がくるとの見通しも示されている。ウイルス
が変異して強毒性となれば、第1波の上陸で崩れた検疫体制を軽々と突破
して、全国に蔓延する可能性すらある。念には念を入れた形で感染拡大を
阻止せねばなるまい。