宗教法人「幸福の科学」は20日、次期衆院選への候補者擁立を目指して
政治団体幸福実現党」を設立することを決め、25日に都内で記者会見
を行うと発表した。会見では主要政策や候補者公募などについて説明する。
大川総裁は団体幹部には就任せず、会見にも出席しない予定。幸福の科学
は、先の千葉県知事選で森田健作現知事を応援するなど「シンパ候補」の
支援活動を展開してきた。大川総裁は「これまで教団の政治活動は間接的
だったが、これからは一定の政治的勢力にならねばならない」「仏国土
地上ユートピアの建設をめざす以上、陰で糸を引いているように言われる
べきではない」と語っている。

 

宗教団体が表立って政治に関与してきたのは、公明党を設立した創価学会
くらいのものであった。それ以外の宗教団体は特定の政党の候補を支援す
ることで、裏方に徹してきたわけだが、信者の数は公称1000万人と豪
語する幸福の科学が政治の世界に出てくるとは驚きである。何を持って大
川総裁は政治の世界に出てこようと思ったのか定かではないが、教団の主
張に同調する候補には自民・民主を問わず支援するとのスタンスを崩して
まで、自らの政党を持とうとする動きには警戒感を憶える。さすがに10
00万人の信者はいないにせよ、それなりの組織票を持っているのが強み
ではあろう。だが、果たして地上ユートピアの建設とは政治の世界に出て
こないと成し遂げられないものなのであろうか。25日にどのような発表
があるのか、注目したい。