北朝鮮の核実験実施を受け、国際社会としての対応を協議する国連安全保
障理事会の緊急会合が25日午後、開かれた。各理事国は、今回の核実験
が明確な国連決議違反であり、新たな決議の採択が相当との基本認識で一
致した。今後、新決議採択に向けた具体的な作業に入る。国連外交筋によ
ると、米国はすでに北朝鮮に対する新たな決議案の作成を始めており、早
ければ26日中にも各国に提示される見通し。日本も米国と歩調を合わせ、
新決議案に向けての作業を進めているものとみられる。一方、決議採択の
作業とは別に、チュルキン議長が今回の核実験に対する安保理の態度を明
確にするため会合後に談話を出し、「核実験は明確な国連決議違反」など
北朝鮮を厳しく非難した。

 

北朝鮮の核実験実施は先日の弾道ミサイルの発射実験とリンクしたもので
あると言えるだろう。北朝鮮に対して太陽政策をもって、援助を繰り返し
盧武鉉前大統領が自殺した後での今回の核実験は何とも皮肉なことだ。
6カ国協議が事実上、機能を果たさなくなった中で、我が国が次に打てる
手はほとんど残されておらず、手詰まり感がある。国連安保理が厳しい非
難を発表したところで、北朝鮮に実害があるわけでもない。自身には核と
弾道ミサイルがあることを誇示し、譲歩を引き出そうとする常套手段との
指摘もあるが、それに何度騙されてきたことであろうか。北朝鮮の友好国
である中国やロシアに毅然とした対応を取らせねばならない。むろん、北
朝鮮が直接対話を目論む米国も同様である。テロ支援国家の指定を解除し
たことを今さら悔いても仕方ないのだ。真の意味での国際的な対北朝鮮
囲網を早急に完成させるべきだ。