西松建設の違法献金事件を受けて民主党が設置した「政治資金問題をめぐ
る政治・検察・報道のあり方に関する第3者委員会」が、公設秘書が起訴
された小沢一郎代表代行からの聴取を既に実施していたことが分かった。
鳩山由紀夫代表が27日の党首討論で明らかにした。関係者によると、小
沢氏は20日に都内のホテルで約2時間、聞き取りに応じた。鳩山氏は党
首討論後、記者団に「小沢氏は国民が知りたい話をされたと思う」と指摘。
「小沢氏は選挙担当として全国を回り、その中で説明していく。説明責任
の問題は決着が付くと思う」と語った。ただ、内容については「つまびら
かに聞いていない」と説明を避けた。 

 

これまで、この第3者委員会は外部の有識者からヒアリングを実施する際
には、事前に報道各社に通知した上で、公開を原則とされてきたようだが、
小沢氏へのヒアリングについては事前通知がなかった。非公開の理由につ
いて、「委員の判断だ」としているものの、本当にそうだったのか疑問が
残る。小沢氏が報道陣への公開を良しとしなかった、それが真相だとした
ら代表を辞任しても何ら体質は変わっていないようだ。鳩山代表は国民が
知りたい話をされたと思うと話してはいるが、内容についてはつまびらか
に聞いていないと言葉を濁す。民主党が支持を失ったのは、小沢代表の政
治資金の問題に対して、説明責任を果たそうとする姿勢が見えず、むしろ
後ろめたいことでもあるのかと思われるような姿勢であった。小沢氏に何
らやましいことはないことを証明するために設置されたであろう第3者委
員会が、逆効果となっていなければ良いのだが。