麻生太郎首相は30日、視察先の横浜市内で記者団に、北方領土問題でロ
シアのメドベージェフ大統領が日本を批判したことに触れ「ロシアによる
北方領土の不法占拠は日本の公式見解で、ロシアと日本、私とメドベージ
ェフの間で特段に話がこじれることはない」と述べた。同大統領は、日本
などの新任駐露大使への信任状奉呈式で「北方四島のロシアの主権を疑問
視する日本の試みは交渉継続に役立たない」などと発言していた。この日
の日露電話協議で両首脳は、北方領土問題は、7月にイタリアで開かれる
主要国首脳会議の際に行う会談で協議すると確認した。大統領は「領土問
題はセンシティブな問題だが、しっかり準備したい」と語ったという。

 

この発言にどのような問題があると言うのであろうか。旧ソ連終戦のド
タバタに火事場泥棒的に北方領土を占領し、そして今に至っているのであ
って、麻生首相の認識に何の間違いは無かろう。あくまで北方領土は我が
国固有の領土であるとの姿勢を崩してまで、交渉に臨むべきでは無い。電
話協議でメドベージェフ大統領は「日露関係のセンシティブな問題に関す
る公の発言を自制する必要性」を麻生首相に指摘し、日本側も理解を表明
したとロシア側の通信社は伝えているものの、真偽はともかくとして理解
と言う言葉が指し示す意味は広いものだ。ロシア側の立場も理解する、と
の意味だったと見るのが普通ではないか。