クリントン国務長官は7日に放映されたABCテレビのインタビューで、
北朝鮮をテロ支援国に再指定することを検討すると言明した。米国は、北
朝鮮の核放棄に向けた6カ国協議の合意に基づき、昨年10月にテロ支援
国の指定解除に踏み切った。また、同テレビによると、クリントン長官は
北朝鮮で拘束されている2人の米ジャーナリストの解放に向け、同国に書
簡を送付。同長官は「結果を生み出すと思われるあらゆる行動を取ってい
る」と述べた。米国内では、北朝鮮による2回目の核実験やミサイル発射
に対する批判が強まっており、複数の上院議員からテロ支援国再指定を求
める声が上がっている。これに対し、長官は「国際テロ支援に関する最近
の証拠を検討したい」と語ったが、詳細には言及しなかった。 

 

ブッシュ前政権でテロ支援国家指定の解除をしたのは、今となっては悔ま
れるばかりであろう。政権末期で外交上の得点を稼ぐためとさえ言われた、
指定解除であったが北朝鮮は譲歩するどころか弾道ミサイルの発射実験、
さらには核実験まで行い、全く効果が無かったことを証明してしまった。
オバマ政権は北朝鮮との移行後は直接対話もいとわない姿勢を見せている
が、やはり国内からは疑問の声が上がり始めている。北朝鮮が弾道ミサイ
ルや核開発に邁進するのは、米国に届く核ミサイルを持てば「金王朝」体
制崩壊は無いと盲信しているからに他ならない。飢餓に苦しむ国民を犠牲
にしてまで開発に進めてきたのは、体制を維持していくために尽きるのだ。
これまでのように小手先の対応をしていたのでは、いつまで経ってもこの
問題は解決しないであろう。米国もいい加減に本気で北朝鮮と向き合う時
が来たのではなかろうか。