次期衆院選の行方を占うとされる東京都議選で、有権者の投票意向をみる
と、都議会第2党の民主党が、第1党の自民党を12・2ポイント差で大
きく引き離した。2005年の前回都議選のほぼ同時期の調査と比べても、
民主は11・1ポイント上昇した。ただ投票先を決めていない人は7割弱
に上り、情勢は流動的だ。投票する立候補予定者を決めている人は、「だ
いたい決めている」を含めて31・3%。「まだ決めていない」(67・
7%)「分からない」(1%)と答えた人にも、「あえて今投票するとす
ればどの党派」か聞いた。その結果、民主が32・5%、自民20・3%、
公明7・9%で、都議会で野党的立場を取る民主が、石原慎太郎知事与党
である自・公の合計を上回った。共産は4・9%、社民1・3%、生活者
ネット1・1%、無所属6・4%だった。

 

この世論調査にどれだけの信頼性があるかは置いておくとして、7割弱が
投票先を決めていないのは、それだけ有権者の政治離れが進んでいると言
うことであろうか。今回の調査では自民・公明党を上回ったとは言え、政
治とカネの問題に決着をつけられないまま、代表の首だけを挿げ替えた民
主党にもその責任はあるのではないか。どの党に任せても同じであるとの
失望だけが漂っていては、我が国の民主主義は深刻な事態に陥るであろう。
自浄作用を失った政党・政治家は本来退場すべきだが、地盤・看板・かば
んを受け継いだ世襲議員が数多くいるように、政治にはとかくカネがかか
ると言うのが相場である。有権者の信頼回復のためには何が必要か。政権
交代によって過去のしがらみを断ち切れるのか。民主党にとっては、過去
自民党そのもののような小沢代表代行を身中に抱え、それが足枷になっ
ているようでは話にならないだろう。