三者委員会の報告書で、同委が民主党小沢一郎前代表に意見聴取した
内容が明らかになった。小沢氏は自らの説明責任が求められていることに
ついて「代表のままなら民主党が政権を取れば首相になるが、代表を辞任
した以上、それはない。代表辞任という重い決断をしたうえで、やるべき
ことは十分にやった」などと反論している。政治献金の使途については「
すべて政治資金規正法にのっとり、収支報告書に記載し明らかにしてきた。
強制捜査で会計関係の書類をほとんど持って行かれてしまい、説明するす
べがない」などと弁明。検察捜査に関しては「何らかの公正なチェックシ
ステムを作ることが重要だ」と指摘し、「説明責任を果たすべきは政権交
代が現実のものとなってきた時期に突然秘書を逮捕した検察であり、辞任
キャンペーンを繰り広げたマスコミだ」としている。

 

小沢前代表の公設秘書が逮捕されたことを受けて、民主党は第三者委員会
を立ち上げたまでは良かったかもしれない。だが、その報告書で検察やマ
スコミ批判で終始しているようでは、何のための第三者委員会なのか。小
沢氏の言い分をそのまま聞いて、何ら検証もしないまま報告書に載せてい
るのでは、御用委員会と変わらないだろう。法律にのっとって適切に処理
している、その一点張りで押し通したあげく、そのまま代表を辞任し、筆
頭代表代行に就任した流れは不可思議そのものではないか。一応、報告書
では説明責任について「首相になり得る立場として国民への説得力を備え
ることは大変重要。もっと積極的に訴えかける姿勢があってもよかった」
と言及しているものの、中途半端感は拭えない。このような報告書しか出
せないのなら、そもそも第三者委員会など必要ないだろう。有権者が知り
たいのは、小沢氏に集まった巨額の政治資金が何に使われたのか、そして
何のために必要だったのか、ではなかろうか。