郵便不正を巡る厚生労働省の偽公文書作成事件で、再逮捕された自称障害
者団体「凛の会」元会長・倉沢邦夫被告が大阪地検特捜部の調べに対し、
障害者団体証明書が発行されるよう口添えを頼んだ国会議員が、目の前で
当時の同省障害保健福祉部長に電話で依頼したと供述していることがわか
った。元部長もこの議員から凛の会への対応を依頼されたと供述している
という。国会議員の事務所は「議員本人も『そんな電話をかけた記憶は全
くない』と言っており、そのような事実は全くないと考えている」と否定
している。関係者によると、倉沢被告は2004年2月、議員会館にある
事務所を訪れ、以前に秘書を務めていた議員に対し、「凛の会という団体
をつくった。障害者団体と認める厚労省の証明書がほしい」と依頼。議員
は了承し、その場で同省の元部長に電話して「よろしく頼む」などと伝え
たという。

 

厚労省の現役局長が逮捕されると言う異例の事態に発展した障害者団体向
けの郵便の不正事件。本来要件を満たしていない団体に障害者団体証明書
が発行されたのは、政治家が口利きをした「政治案件」だったためと言わ
れている。現在、メディアの報道では口利きをした政治家が誰か、具体的
な名前は出ていないが、これは民主党の石井一副代表であるとされている。
石井副代表は否定しているが、凛の会の倉沢元会長は石井副代表の秘書を
務めていたことがあり、その伝手で障害者団体の資格を手に入れたと供述
している。障害保健福祉部の元部長はこれまでの特捜部の任意聴取に対し、
国会議員から依頼があったことを認めており、誰が嘘をついているのか、
これからの捜査で分かってくることであろう。総選挙直前に何故、と言っ
た声があがっているものの、では総選挙後のいつなら問題無いのか。福祉
を食い物にした卑劣な犯罪であり、許してはならない。