政治資金規正法違反と外為法違反に問われた準大手ゼネコン「西松建設
の前社長、国沢幹雄被告の公判は19日午後も東京地裁で続き、検察側は
「規正法の趣旨を踏みにじり極めて悪質」と禁固1年6月を求刑した。弁
護側は「背景事情を過大視して贈収賄と同列に扱うことは許されない」と
反論した。公判は結審した。判決は7月14日。外為法違反に問われた元
副社長、藤巻恵次被告には、懲役6月が求刑された。検察側は論告で、西
松側から民主党小沢一郎前代表側への献金が95〜06年で2億円を超
え、うち二つのダミー政治団体を通じた分は1億2900万円に上ったと
指摘。「献金の主体を偽り、小沢事務所から『天の声』を得て公共工事
受注してきた談合の構造・実態を隠ぺいした。献金そのものを収支報告書
に記載しない『闇献金』と何ら異ならない」と非難した。

 

小沢氏を民主党代表の座から引きずりおろした西松建設による偽装献金
件。小沢氏への献金が2億円を超えると言う、庶民の感覚で言えばあまり
に大きな金額に、何らかの見返りがあったのでは、と思うのも当然であろ
う。結局、小沢氏は説明責任をまともに果たすことなく、代表を辞任した
と思いきや、筆頭代表代行の座に就く変わり身の早さは、呆れるばかりだ。
政権交代を成し遂げる決意は良いが、まずは自身の身の回りのことはきち
んと片付けて欲しいものだ。西松建設の国沢前社長は「規範意識が希薄だ
った。法を犯してまでやるべきではなかった」「ほかのゼネコンも大なり
小なり行っており、競争に勝つための必要悪だと思っていた。なぜ談合を
なくす努力をしなかったのか、不徳の致すところ」と淡々と述べたようだ
が、民主党にとっては再び政治とカネの問題が浮上してきただけに、小沢
氏を庇うために一切無視するのか、注目が集まるところだ。