産経新聞社とFNNの合同世論調査で、「今、日本の首相に一番ふさわし
い政治家は」という質問への回答で、自民党舛添要一厚労相が10・7
%となり、小泉純一郎元首相(9・3%)を抜いてトップに躍り出た。舛
添氏は、0・3ポイント差ながら、2位の民主党鳩山由紀夫代表も上回
った。自民党では支持率低迷にあえぐ麻生太郎首相の交代論が広がり、一
部議員の間では舛添氏擁立論も出始めている。舛添氏は22日、国会内で
の記者会見で、「首相にふさわしい政治家」のトップに立ったことを問わ
れて、思わず笑みを浮かべ、「ありがとうございます」と語った。ただ、
すぐさま神妙な表情に戻り、「問題が山積しているから、厚労相の仕事を
まっとうするだけだ。それ以上でも以下でもない」と慎重に述べた。

 

首相にふさわしいのは誰か、そこに名前が挙がるのはメディアで顔の知ら
れている議員ばかりであろう。新型インフルエンザが我が国に上陸した際
には、舛添厚労相はテレビで見ない日は無かったであろうし、年金問題
後期高齢者医療制度が批判された際の対応でもそうであった。自民党内で
は総裁選の前倒しを行い、新総裁の下で次期衆院選を戦う構想も消えたわ
けでは無さそうだ。民主党がこれと言って点数を稼いでいない中で、自民
党に対する不満の受け皿として、相対的に支持率が上昇しているのであろ
うが、その流れを止めるのは難しいように見える。勝つためには出来るこ
とは何でもする、そのための総裁選前倒しなのだろうが、果たして勝算が
あってのことなのか。総裁の顔を挿げ替えただけで、選挙に勝てると思っ
ていること自体が有権者に対する冒涜だと気が付くべきだ。