韓国の聯合ニュースによると、北朝鮮の党機関紙・労働新聞は23日、金
正日総書記が「主体の血統は継承され、発展している。わが革命は引き続
き勝利する」と述べたと報じた。金総書記が「血統の継承」に直接言及し
たのは珍しく、世襲による後継が進められていることを強く示唆したとみ
られる。金総書記が5月、咸鏡北道の延社地区革命戦跡地を現地指導した
際の発言とされ、発言に関連して金総書記に同行した記者が「偉大な歴史
は継承すれば輝く」と指摘している。同紙は22日の論説でも、「偉大な
継承」との表現で、権力継承を取り上げている。

 

金正日総書記の健康不安説が飛び交ってきた中で、最近は後継者が三男の
金正雲氏に決まったと言った報道も目にする。社会主義国でありながら、
金王朝とも呼ぶべき世襲のレールを引いたのは故・金日成氏であったわけ
だが、その流れを息子の金正日総書記も引き継ごうと言うのか。「偉大な
継承」と朝鮮労働党の機関紙では謳うものの、権力継承を円滑に行うため
には、長男や次男が決定に従うようにしなければならない。北朝鮮では跡
目争いは起きないとは必ずしも言いきれず、三男が後を継ぐのであれば自
身が動けるうちに、三男の権力基盤を万全のものとしておく必要があるだ
ろう。そのための核と長距離ミサイルなのか、いずれにしても後継者問題
を国際社会が注目しているのは言うまでもない。