北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイル7発のうち約5発が、発射台から約
450キロ離れた日本海上の同じ地点に着弾していたことが5日、明らか
になった。韓国の聯合ニュースが韓国政府筋の話として伝えたもので、誤
差が大きいとされていた北朝鮮のミサイルの命中精度が向上していること
を示している。同じ地点に着弾したのは、短距離弾道ミサイルスカッド
の改良型と中距離弾道ミサイル「ノドン」とみられる。発射された7発中
3発は飛行速度が極めて速く、ノドンの射程を短くして発射した可能性が
指摘されている。現在、スカッドは200〜300基、日本のほぼ全土を
射程に収めるノドンは約200基が配備済みとみられる。

 

命中精度が低くても、核弾頭であれば大きな被害を与えることは可能であ
る。弾道ミサイルに通常弾頭を積んで攻撃したところで、敵国に与える被
害はたかが知れたものだ。だが、命中精度が高ければピンポイントで敵国
の政府や基地を叩くことも可能になり、兵器としての有用性が高まる。北
朝鮮にとっては、ミサイルは外貨を稼ぐ貴重な「輸出品」であり、性能を
高めることで、より高く売ることが可能になる。我が国に出来ることは安
保理決議1874に基づく制裁措置を着実に実施し、北朝鮮の武器輸出を
締め上げておくことであろう。緊張高まる朝鮮半島事情だが、韓国軍も来
年には発射の兆候を探知しにくいスカッドによる攻撃に備え、弾道ミサイ
ル早期警報レーダーの導入を計画しており、北朝鮮に対する姿勢を強めつ
つあるようだ。