衆院選の行方を占う東京都議選は12日投開票され、民主党が大幅に議席
を伸ばし、初めて第1党を獲得する公算が大きくなった。自民、公明の与
党は過半数を割る可能性があり、麻生太郎首相の責任問題に発展しそうな
情勢だ。首相は都議選直後の衆院解散をなお模索しているが、与党内の反
発は必至で、首相がこだわれば「麻生降ろし」の動きが一気に拡大する可
能性もある。首相は解散時期について、イタリアで開催された主要国首脳
会議終了後の記者会見で「党内外でいろいろな発言があることは承知して
いる。諸条件を十分に勘案して近々判断したい」と表明。帰国した11日
夜、河村建夫官房長官と公邸で会談し「都議選の結果は国政と関係ない」
と、自らの手で解散を断行する決意を伝えた。

 

速報が始まった時点で民主党の第一党は確実との報道であったが、これは
無党派層が相当民主党に流れたためのようだ。おそらく自民党公明党
合わせても過半数には達しないであろうし、民主党単独での過半数も厳し
いだろう。民主党は石原知事が都議会に提出した議案1149件の中で民
主党が反対した議案はわずか8件で議案賛成率99.3%と言う事実上の
与党であったわけだが、東京から政権交代を呼号する厚顔無恥な選挙戦を
展開し、それが見事に成功したのは確かではないか。いずれにしても都議
選の結果次第で、麻生首相のもとでの解散総選挙と言う選択肢は消えるは
ずだ。無党派層民主党に流れるようでは、ドミノ倒しのように落選して
いく議員がベテラン・新人を問わず出てくることだろう。後継総裁の擁立
を急ぐ動きが加速する。