民主党小沢一郎代表代行は22日、国替えが取りざたされてきた東京1
2区からの出馬を見送り、同区に女性の新人候補を擁立する方針を決めた。
24日に都内で小沢氏が記者会見し発表する。小沢氏は地元・岩手4区か
ら出馬する。党関係者が明らかにした。小沢氏は国替え見送りの理由とし
て党関係者に「東京12区で立候補する公明党太田昭宏代表との直接対
決は避けたい」と述べ、衆院選後の公明党との連携に含みをもたせた。国
替えをめぐっては、鳩山由紀夫代表が幹事長当時に「小沢氏は岩手から出
ない」と明言、民主党候補の空白区だった東京12区に注目が集まった。
ただ、小沢氏が5月に代表を辞任し、党内では「もはや国替えをする意味
はない」との見方が広がっていた。

 

小沢代表代行がついに東京12区への国替えを見送り、ある意味で公明党
へ配慮した形となった。我が国最強の集票マシンである創価学会がフル回
転する選挙の前では、新人候補が太刀打ち出来るわけもない。与党にかつ
てないほど逆風が吹く中で、自民党は維持してきた第一党の座を失う可能
性が高く、連立パートナーである公明党衆院選後にも自民党と行動を共
にすることは微妙であろう。それを考慮して国替えを見送ったのだとの観
測なのだが、公明党は政権側にあって初めて創価学会の盾と成り得る。そ
れを考えれば、公明党の身の振り方は予想出来る。「もはや国替えをする
意味はない」との空気が民主党内で流れるのも当然である。