麻生太郎首相は27日夜、民主党が発表した衆院選マニフェストにつ
いて「財源が無責任、極めてあいまいだ。聞こえのいいバラマキの話は
極めて危ない。インド洋に自衛隊を派遣するのは憲法違反だと言ってお
られたと記憶するが、今は違反じゃなくなったのか。コロコロ変わるの
は日本の安全保障を危うくする。主張は一貫性をもってもらわないと」
と批判した。また、自民党細田博之幹事長も同日、民主党マニフェス
トについて「高速道路無料化とガソリン税などの暫定税率分をもらわな
くなり、それだけで4兆円くらいの収入減だ。一方で社会保障、診療報
酬の増額を言う。収入削減と支出増加で財源不足が極めて大きく、問題
がある」と指摘し財源問題で政権担当能力を追及していく姿勢を示した。

 

従来の発想に囚われないで予算を組めば、自ずと必要な財源は生まれて
くる。それが民主党の財源論なのだろうが、高速道路の無料化にしても
道路公団が残した莫大な借金は国が引き継ぎ、国庫から毎年償還して
いくと説明するものの、本来の受益者負担から国民全体が義務を負う形
となるのではないか。また、全ての高速道路が無料化されるのではなく、
首都高速阪神高速など渋滞が想定される路線・区間については、有料
のままである。民主党マニフェストが発表されたことで、対する自民
党のマニフェストの中身が気になるが、民主党の大盤振る舞いに触発さ
れて、バラマキ合戦とならなければ良いのだが、ただでさえ押され気味
の中で、理論で勝負とはいかないだろう。