民主党北海道が、衆院選比例代表道ブロックの単独候補として、名簿下位
山岡賢次国対委員長の三男で、元NHK記者の山岡達丸氏を登載する
方針を決めたことが、党本部側に波紋を広げている。達丸氏は道内で政治
活動の実績はなく、「事実上の世襲」との批判が浮上。比例の名簿決定は
党本部の権限で、党選対幹部は「まだ、決まっていない」と差し替えの可
能性に含みを残す。達丸氏は今春、NHK札幌放送局を退社。民主党北海
道のスタッフとして政界入りを目指してきた。民主党は3親等以内の親族
が同一選挙区から連続して立候補することを禁止しており、賢次氏の地元
の栃木4区から出馬することはできない。民主党北海道は17日、達丸氏
の擁立を党執行部に報告。党関係者によると、この間、賢次氏から民主党
北海道側に、達丸氏を処遇するよう働き掛けがあったとされる。

 

民主党は他党の世襲を批判しながら、党執行部の役員が同一選挙区ではな
いにしても比例代表で息子を出馬させようとする、その姿勢は批判されて
も仕方ないだろう。さらに狡猾なのが、もともと民主党の地盤と言って良
い北海道ブロックを選んでいると言うことだ。民主党が優勢とあっては、
比例の順位は低くても当選する可能性は高く、勢いに乗じて息子を国会議
員にしようとしていると思われても仕方ない。さらに擁立の経緯を党本部
側に十分な根回しがなく、鳩山由紀夫代表も直前まで知らされていなかっ
たと言う。山岡氏は民主党北海道に直接働きかけがあったのなら、その意
図は間違い無いだろう。さすがに党本部側も問題視し、名簿への登載を見
送る可能性がある。批判をする以上は自らの襟を正すのは当然と言えよう。