公明党太田昭宏代表は3日、福岡市内のホテルで、自民党山崎拓前副
総裁ら福岡県内の小選挙区候補7人に対する「推薦状授与式」を開いた。
公明党の推薦状は地方代表が渡すのが通例で、党首の出席は異例。太田代
表はあいさつで「自公勝利の大事なスタート。あえて会を催した」と語り、
公明党への比例協力を迫った。公明党は今回の衆院選で、九州や東北など
を重点地域とし、九州ブロックの獲得目標議席を現有の3議席より1増の
議席に設定。太田氏は3日、福岡県内で自民候補の選挙区を回ったが、
選挙カーの上では自民候補と並ばず、もっぱら「公明党の清潔政治」をア
ピールし、独自色を打ち出した。一方、自民党候補は各選挙区で「比例は
公明」を連呼した。自民党への逆風下、山崎氏ら派閥領袖クラスも厳しい
戦いを強いられている。比例票を公明に回すほど、比例復活の道は険しく
なる。ある自民候補は、自公の協力について「自らの首を絞めるが、選挙
区での公明票も欠かせない」と、板挟みの苦しい心境を漏らした。

 

自民党公明党と連立を組むことで、我が国最強の集票マシンである創価
学会の選挙協力を得ることは出来たが、自民党を支持していた他の宗教団
体は離れていき、古くからの保守層も離れいったことであろう。郵政選挙
では小泉元首相が野党である民主党と対決すると言うよりも、自民党内の
郵政民営化反対派との対決と言う構図を作り出したことで、民主党は完全
に埋没してしまい、メディアも選挙区に送り込まれた刺客を取り上げるこ
とで、自民党の大勝に一役買った恰好であった。言わば自ら風を作り出し
たわけだが、今回は民主党が「政権交代」の風を作り、追い風を受けたま
ま選挙に入ろうとしている。だが、自民党が都議選で大敗した中で、全員
当選を果たした公明党創価学会の集票力は侮れない。総選挙となれば自
民党候補に小選挙区では票を回す代わりに「比例は公明」と連呼させるバ
ーターを強いるであろう。このような構図が本来の自民党支持層を離れさ
せた一因であることに間違いは無く、かと言って今さら見直せないことに
自民党のジレンマが感じられる。結局は自らの首を絞めることになると連
立した時点では気付かなかったのだろうか。