民主党岡田克也幹事長は18日、同党の藤井裕久最高顧問が引退方針を
撤回し、衆院南関東ブロックの比例代表単独候補として出馬したことにつ
いて、鳩山由紀夫代表の意向を受けた決断だったことを明らかにした。遊
説先の長崎県大村市で記者団の質問に答えた。岡田氏は「鳩山代表の特別
な思いだ。政権交代した時には、藤井氏のような経験のある人が必要だ」
と述べた。藤井氏の重要閣僚などへの起用の可能性に関しては「存在その
ものが極めて重い」と述べるにとどめた。山岡賢次国対委員長の三男の山
岡達丸氏が北海道ブロックから比例単独候補で出馬したことについては「
民主党北海道連から正式に上がってきたので、それを尊重した」と述べ、
縁故による優遇ではないと強調した。

 

藤井裕久最高顧問は民主党にとって、と言うよりは新党を作っては壊して
きた小沢代表代行に付いてきた右腕であり、その辺に何らかの理由がある
のかもしれない。むろん、表向きは経験を買ったとの理由なのだろうが、
比例代表の単独候補としたこともあり、どうにも解せない部分ではある。
民主党の比例名簿は小沢代表代行の意向が色濃く反映され、当初発表され
る予定だった17日からずれ込み、公示日での発表となった。そして、民
主党にとって足枷になりかねないのが、山岡国対委員長の三男が北海道ブ
ロックの比例単独候補として出馬することになったことだ。自らの地盤を
譲ったわけではない、と強弁するのだろうが、民主党の地盤とも言える北
海道からの出馬は、当選は安泰そのものである。民主党に追い風が吹く中
で、身内ばかりを優遇したような名簿は注視すべき点だろう。特に山岡国
対委員長の三男が出馬することは、世襲批判を繰り広げてきた民主党がや
ることか、と呆れるばかりだ。