民主党鳩山由紀夫代表は18日夜のNHK報道番組で、衆院選後に社
民、国民新両党との3党連立政権が誕生した場合、「どなたかは当然閣
内に入っていただくことが望ましい」と述べ、両党に対して閣内協力を
求める意向を示した。鳩山氏は同党の政権公約に国会議員約100人を
政府内に配置すると盛り込んだことを念頭に、「政府の中で政策を決め
ていきたいと考えている」と指摘し、両党との間の政策協議も政府内で
行う考えを示唆した。鳩山氏はこれまでも「衆院でいくら民主党議席
を占めようと、社民党国民新党との連立を前提に行動したい」として、
仮に衆院選民主党単独過半数を獲得しても、社民、国民新両党に連
立協議を呼びかける考えを明らかにしている。

 

民主党にとって頭の痛い問題が、参院単独過半数を得ていないため、
衆院選で大勝しようとも社民党国民新党を切り捨てるわけにはいかな
いことだ。先日発表された民主・社民・国民新党による共通公約では、
外交安保政策は「選挙後の連立政権協議の課題」として先送りされ、社
民党が主張した非核三原則の法制化も盛り込まれなかった。国家の根幹
であるはずの外交安全保障政策をまとめもせず、ただ先送りした姿勢は
批判されるべきであろう。民主党としては小政党である社民党や国民新
党を閣内に取り込むことで、その辺りの政策をある程度でも一致させた
い思惑だろうが、来年の参院選民主党が2年前同様に大勝すれば、単
過半数も夢ではなくなる。そうなった時に両党が切り捨てられるのは
当然であろうし、政策の一致を見なければ切り捨てないにしても距離は
置くだろう。社民・国民新党にとって民主党を勝たせ過ぎないことが生
き残る条件とは、何とも皮肉なことである。