民主党鳩山由紀夫代表は23日、テレビ朝日の報道番組で、政権獲得後
に編成する10年度予算の国債の新規発行額について「今年度より増やさ
ない。これ以上増やすならば国家はもたない。減らす努力をしなければな
らない」と述べ、抑制に努める考えを示した。補正後の09年度予算で新
国債発行額は44兆円と過去最大となっている。鳩山氏は「国債発行を
増やしておきながら、この程度でGDPが戻ったと喜べる話ではまるでな
い」と政府の対応を批判。「暮らしをよくすることで景気を導く発想に変
えることで、借金を増やさないで済む」と強調した。

 

相変わらず具体性に欠く鳩山代表の主張だが、少なくとも国債発行額を増
やさないと明言したことで、これが後々に尾を引くことになるかもしれな
い。かつて小泉元首相が新規国債の発行額を30兆円に抑えると公約しな
がら守れなかった時には「もっと大きなことを考えないといけない。この
程度の約束を守れなかったのは大したことではない」と言い放ったものだ
が、鳩山代表は自身の言ったことを守れなかった際に、どのような行動を
取るのだろうか。来年の参院選を気にしてか、消費税も4年間は上げない
と明言してしまい、民主党の政策を実行する際に、財源が不足した場合の
手当ては国債の発行しかなくなる。頼みのいわゆる埋蔵金が麻生政権の景
気対策で使われてしまったことを理由に、やはり国債発行を増やすしかな
いなどと言っては欲しくないものだ。