民主党との連立政権を視野に入れる社民、国民新両党が、衆院選挙戦略で
ジレンマを抱えている。圧勝ムードの民主党にはあやかりたいものの、連
携を強調し過ぎると比例ブロックの戦いで埋没してしまいかねないためだ。
国民新党亀井静香代表代行は26日、横浜駅前で同党比例ブロック候補
の応援に立ち「国民新党は民主、社民党と一緒によこしまな政治と対峙し
ながら進む」と訴えながらも、こう付け加えることを忘れなかった。「た
だ、力余って比例まで民主と書かないでほしい」国民新党綿貫民輔代表
が比例ブロック単独で立候補しており、比例を重視する。郵政民営化見直
しなどを主に訴え、「民主色」を前面には出さない。民主の看板に依存し
過ぎると、政党名を書く比例では「民主独り勝ち」に手を貸すことにもつ
ながるからだ。亀井氏も26日、「自公政権と同じ政治をするならサヨナ
ラする」と民主党をけん制した。社民党福島党首も「民主独り勝ちだと平
和が危ない」と独自性を強調する。

 

民主党が300を超える議席を獲得するとの報道がある中で、社民党や国
民新党と言った小政党がどう存在感を発揮するか、連立を組んだとしても
最大の課題であろう。政権交代を実現させた民主党は来年の参院選を睨ん
で、マニフェストに掲げた政策を一気に実行するつもりはなく、大勝した
際の勢いは持続させて参院選でも過半数を制する考えのはずだ。そうなる
と、社民党国民新党にとって存在感を発揮出来る時間は非常に短い。国
民新党が求める郵政民営化の見直しや、社民党非核三原則の法制化など、
民主党が簡単に飲めないような政策が多く、この辺を適当に捌きつつ、民
主党は政権運営をせざるを得ない。だが、小沢代表代行が下野した自民党
公明党に手を突っ込んで、参院過半数割れを解消する可能性すらある
だろう。いずれにしても、社民党国民新党衆院選後を生き残るのは楽
なことではない。独自性を強調したところで、埋没の危険は相変わらず高
いのが現実である。