読売新聞社が実施した200小選挙区を対象とする衆院選終盤情勢調査
では、自民党の必死の追い上げが目立った。接戦区の大半は前議員が立
候補しており、地力の違いで民主党候補との差を詰めたと見られる。た
だ、民主党への追い風は弱まる気配を見せていない。200の接戦・注
目区での序盤情勢と終盤情勢を比べると、民主党が圧倒的に優勢な情勢
に変化はないものの、当落線上で候補が競い合う接戦区が53選挙区か
ら67選挙区に増えた。民主党の接戦区は新たに12選挙区を加え、6
1選挙区となった。岩手2区や徳島3区など、序盤で議席獲得が有力に
なっていた選挙区が接戦に持ち込まれた構図が目立つ。これに対し、自
民党は59の接戦区のうち、7割で支持を上向かせている。接戦区は序
盤より10選挙区増えており、その大半が追い上げたケースだ。今回、
初めて当落線上で優位に立った選挙区も複数ある。これらは、地盤が厚
いと評されてきたベテランや中堅の前議員が中心で、後援会や支援団体
などの組織力が効果を発揮した可能性がある。

 

小選挙区制の怖さは当選か落選か、基本的にはその2つしかないことで
ある。接戦区の議員は比例に重複立候補していれば復活の可能性はある
ものの、今回は投票率の上昇が予想され、そう言った票は自民党では無
民主党に流れるのは間違い無い。ここにきて自民党も組織を固めて追
い上げてはいるようだが、無党派層が雪崩を打って民主党支持となって
しまっては、支援団体や創価学会の組織票をフル回転させても及ばない
のだ。郵政選挙自民党無党派層の支持を得たように、逆転現象が今
回は起きようとしている。民主党は派閥の領袖クラスの選挙区にも積極
的に大物を送り込み、梃入れを図っているように、政権交代が実現した
際に、下野した自民党の力を少しでも削ごうと徹底的な選挙戦を展開し
ている。これは選挙を仕切る小沢代表代行の戦略であろうが、派閥の領
袖クラスは激戦区の応援に駆け付けるどころか、選挙区に張り付かざる
を得ず、この戦略は成功していると見られる。自民党公明党は当日の
天気が荒れることを祈っているようだろうが、天運を味方に付けること
は出来るのであろうか。