民主党鳩山由紀夫代表は4日、党本部で崔天凱駐日中国大使と会談した。
大使はいわゆる「A級戦犯」合祀を理由に靖国神社を参拝しないと公言す
る鳩山氏の歴史認識を高く評価しており、権大使は「鳩山氏の正しくバラ
ンスのとれた歴史認識を国民はよく知っている」と絶賛。鳩山氏は「日韓
は一番近い2国間関係だ。歴史問題をしっかりと見つめる政権をつくり、
より良い関係を築きたい」と応じた。また、鳩山氏と両大使は、9月下旬
に米ピッツバーグで開かれる金融サミットなどの機会で日中の首脳会談を
行う方向で調整することで合意した。会談で崔大使は、小泉純一郎元首相
を念頭に「一時期の(日中)関係はかなりひどかったが、両国の『戦略的
互恵関係』を作り上げていきたい」と表明。

 

日中の歴史認識の食い違いを埋めるための歴史共同研究は2006年から
開かれ、日中の歴史教育などを議論してきたのだが、4日に第4回目の会
合を予定していたものの、中国側の要請で延期されることとなっていた。
これは鳩山代表歴史認識が中国にとって好ましいものであり、日本側関
係者からは「新政権の歴史認識問題への対応を見極める考えではないか」
との見方が出ている。このように中国側は先を見越した動きを見せている
のに対して、鳩山代表はどのような対応をするのか。これまで国会図書館
に過去の日本の「罪」を追及する恒久平和調査局を設置する法案を何度も
提出したことを考えると、中国にとっては歴史カードがますます重要性を
増してくることだろう。わざわざ相手に付け入る隙を与え、国益を損ねる
ような真似だけはして欲しくないものだ。