自民党古賀派古賀誠会長は10日の派閥総会で、党内の一部中堅・若
手が派閥解消や世代交代を求めていることに対し、「そんなことで自民
党の再建ができるような簡単な状況ではない。今置かれている環境をし
っかり守りつつ、いかに前進させるかという方が大事だ」と反対姿勢を
示した。また、町村派町村信孝会長は同日の同派会合で、総裁選に向
け党再生策の提言を検討している中堅・若手主導の「党再生会議」につ
いて、「機能がはっきりしない。新総裁を縛るようなことをしてはいけ
ない」と批判した。同派相談役の森喜朗元首相も、同会議が18日に中
間報告をまとめることに関し、「再生会議は早く結論を出そうしている
が、それでいいのか」とし、慎重に再建策を検討すべきだと強調した。 

 

衆院選では強烈な逆風の前に、多くの自民党候補は落選する憂き目を見
た。各派閥も数を大幅に減らし、その機能を失いつつある。党再生会議
なるものが立ち上げられ、中堅・若手主導で進められているようだが、
党再生に向けては第一歩も踏み込めていないのが現実であろう。それだ
け受けたダメージが深刻なのだ。18日から始まる総裁選に向けて、未
だに手を上げる候補がいないのはどういうことなのか。党再生などと言
っておきながら、誰も火中の栗を拾おうとしない。非常に残念な限りだ。
このままでは総裁選が盛り上がるどころか、新総裁が誰なのか伝わらな
いまま、与党と対峙していくことになる。来年の参院選に向けて挙党一
致で、足の引っ張り合いをせずに戦うべきだ。