民主党鳩山由紀夫代表は10日、組閣人事を本格化させた。しかし、
国家戦略局担当相に菅直人代表代行、外相に岡田克也幹事長、官房長官
平野博文役員室長が内定した以外は難航しているもようで、週明けに
ずれ込む可能性も出てきた。10日は新たに、鳩山代表の側近である小
沢鋭仁元幹事長代理と、政策通として知られる仙谷由人政調会長の入
閣が有力となった。さらに、国交相には前原誠司副代表の名前が浮上し
ている。福島みずほ党首の入閣が決まった社民党は、雇用に関するポス
トを求めている。また、亀井静香代表が入閣する国民新党は、郵政事業
を所管する総務相を要求している。

 

組閣人事は民主党代表の専権事項である、と鳩山代表は言っていたわけ
だが、あれこれと横槍が入ったようで組閣人事は固まるどころか、民主
党が掲げたマニフェスト実行のための財源確保、つまり予算の組み替え
によって財源を捻出する財務相すら決まっていない。肝心要の財務相
決まらないのは、就任が予定されている藤井裕久最高顧問について「旧
大蔵省の出身ということで、改革できないんじゃないかと小沢一郎代表
代行が難色を示している」と民主党内では漏れ伝わっているようだ。「
オールスター内閣」をつくると意気込む鳩山代表だが、小沢代表代行を
はじめ、民主党内の不満を押さえ込まねばならない。だが、民主党内を
仕切るのは実質的には小沢代表代行であり、組閣人事が代表の専権事項
であるとは、とても言えないのが現状だ。鳩山代表が自分の意向を押し
切れるほどの豪腕を持ち合わせているとは思えない。