鳩山首相は25日夕、ピッツバーグ市内で記者会見し、来年1月に期限切
れとなる海上自衛隊によるインド洋での給油活動について、「単純に延長
することは考えていない」と明言した。同時に、給油活動に代わる国際貢
献として、アフガニスタンでの農業、職業訓練などの民生支援の検討を急
ぐ考えを示した。G8の枠組みについては、「G8はなくすべきでない」
と語った。沖縄県の米海兵隊普天間飛行場の移設を含む在日米軍再編問題
に関し、「一刻も猶予がない話だ。米国、日本の両政府だけではなく、沖
縄県民の思いに十分理解を示しながら結論を作り上げる」と述べ、米国や
地元との協議を加速する方針を示した。

 

民主党にとって、インド洋での給油活動については非常に悩ましい問題と
してのしかかる。無料ガソリンスタンドと揶揄される向きもあるが、洋上
と言う攻撃を受けることのない安全地帯での活動は、戦死者を出すことが
許されない自衛隊にとっても、国際社会へ貢献出来る場としては最適であ
ろう。それを中止し、アフガニスタンでの農業、職業訓練と言った民生支
援に活動の場を移した際、危険は大いに増すことになる。それでもやるの
だと民主党が決意するのであるなら、何処へどれだけの規模で支援をする
のか、十分な調査をしてもらいたい。拙速な対応で、未だ混迷極めるアフ
ガニスタンへ支援をしたところで、思わぬ犠牲を生む可能性があるのだ。
鳩山首相がどのような判断を下すか注目したい。