麻生太郎前首相の後継を決める自民党総裁選は28日投開票され、第2
4代総裁が選出される。27日までの毎日新聞の取材では、谷垣禎一
財務相が党所属国会議員票のうち過半数の102票を固めた。党員投票
でも28道府県連の幹部が谷垣氏優勢と分析しており、谷垣氏が地方票
と合わせて河野太郎元副法相、西村康稔前外務政務官をリードする情勢
だ。西村氏と河野氏はいずれも国会議員票が30票前後で伸び悩んでい
る。ただ、2割の議員が投票態度を明確にしておらず、3候補の陣営は
28日の投票直前まで支持を呼びかける。

 

党再生と言う重い課題を背負う自民党の新総裁。衆院選大敗の後遺症は
想像以上に重いものであろう。小選挙区制の特徴とは言え、オセロゲー
ムのように白黒が一気にひっくり返り、小泉チルドレンは事実上壊滅し
その代わりに小沢ガールズ、チルドレンが大量に生まれた。ここまでの
状況に追い込まれたことで、自民党が生まれ変わるきっかけになるのか。
新総裁はおそらく谷垣氏となることであろうが、世代交代を訴えた河野
氏や西村氏を選挙後にどう処遇するか、挙党一致の体制作りが必要だ。
政権交代後、新政権報道の前に埋没したままの自民党。谷垣氏は前面に
立って引っ張っていくタイプには見えないが、火中の栗を拾った姿勢は
評価したい。鳩山首相との対決が楽しみだ。