鳩山由紀夫首相は28日夜、亀井静香金融相が提唱している中小企業向け
融資や個人向け住宅ローンを3年程度猶予する「モラトリアム法案」につ
いて「連立与党でモラトリアムまで合意しているわけではない」と述べ、
亀井金融相の主張は受け入れがたいとの姿勢を示した。一方で首相は「中
小企業が資金繰りに困っており、何らかの手だてが必要というのは事実だ。
担当閣僚と担当者を中心にしっかり議論して政治主導でいい答えを見いだ
すことができると思う」とも指摘し、中小企業対策を早急に取りまとめる
べきだとの考えも表明した。首相官邸で記者団に答えた。

 

民主、社民、国民の3党連立は参院での数合わせのため、と言っても過言
では無く、それは社民の福島党首、国民の亀井代表も良く理解しているこ
とであろう。そのためか、如何に存在感を発揮していくかが両党の方針と
なっているのではないか。亀井金融相は生放送の番組で、返済猶予制度を
巡って政府や民主党内から慎重論が相次いでいることについて、「(首相
も反対なら)私を更迭すればいい」などと発言し、それを受けて連立与党
で合意していないと鳩山代表が断言するに至った。何処かで落とし所を見
つけるための反論だったのか、それともモラトリアム法案に民主党は賛同
せず、案そのものを潰すことになるのか。早くも難題に直面した鳩山内閣
だが、何にしても結論を出さないことには進まない。臨時国会を前に頭の
痛い問題として、鳩山首相にのしかかる。