自民党大島理森幹事長ら新三役は29日夜、党本部でそろって就任記者
会見を行った。大島氏は10月25日投開票の参院神奈川、静岡両補欠選
挙で公明党に推薦を含め支援を要請する考えを表明、「早急に公明党側と
話し合いをして、協力を願えるよう努力したい」と述べた。石破茂政調会
長は「討論で自民党の言っていることが国民に正しいと思ってもらわなけ
れば意味がない。ディベートに勝てる力を身に付けていかなければならな
い」と述べ、鳩山政権との政策論争に意欲を示した。田野瀬良太郎総務会
長は「政権奪還に向け、党内を取りまとめるため、全身全霊で取り組む」
と抱負を語った。

 

谷垣新総裁を支える自民党新三役が決まった。ベテランを揃えた手堅い布
陣と言えそうだが、これまでの自民党とは何ら変わらないのでは、と有権
者は感じてしまうかもしれない。だが、奇を衒いサプライズ人事をしたと
ころで、中身が伴わなければ意味が無いのだ。しかしメディアは鳩山政権
の話題ばかりを取り上げ、野党に転落した自民党に注目が集まることはほ
とんど無い状況である。衆院選の大勝の余勢をかって、民主党参院補選
でも一気に取るつもりであろうし、来夏の参院選過半数獲得に向けての
ハードルを下げるためにも、2議席独占は必須条件である。それに対抗す
るために公明党の支援を受けることは、果たして得策なのか。自公政権
崩壊し、独自の路線を歩みつつある公明党と組むことが正解とは思えない。
地力を回復した上で、反撃のための戦力を整えるべきだろう。