リーマン・ショック以降、企業業績は急速に悪化したが、中でも大きな影
響を受けたのが広告業界だ。日経広告研究所が発表した『有力企業の広告
宣伝2009年版』によると、2008年度の有力企業4444社の広告
宣伝費総額は前年度比7.33%減の3兆608億円。連結ベースで見る
と、同6.02%減の5兆9245億円となり5年ぶりの減少に転じた。
帝国データバンクの調査によると、2009年上期(1月〜9月)の広告
業者の倒産は前年同期比40.6%増の201件に達していることが分か
った。負債額別に見ると、「1億円未満」が142件(70.6%)で最
も多く、業種別では「広告代理業」が93件(46.3%)でトップ。

 

広告業界リーマン・ショックに端を発する景気後退の影響をモロに受け
た業界の一つであった。これまで赤字になることが考えられなかった、新
聞社やテレビ局が赤字を計上したのは、広告収入の激減が原因である。つ
まり、それらを取り扱う代理店の売り上げも減少することになるのだ。ま
た、広告を出すのが、新聞やテレビと言ったマス・メディアから、インタ
ーネットへ急激にシフトしている。テレビCMを見て分かるように、続き
はWEBでと、ホームページへ誘導する流れは当分続くことだろう。明確
な広告効果が分かりにくい媒体よりも、分かりやすい媒体へ、企業からす
れば当然のことである。ある意味、黙っていても広告が入った殿様商売の
時代は終わり、ニーズをきちんと捉えた代理店が生き残っていく。むろん
電通博報堂とて例外ではないのだ。