鳩山由紀夫首相と韓国の李明博大統領は9日、ソウルで行った首脳会談で、
首相が掲げる「東アジア共同体」構想の実現に向けて協力していくことで
一致した。首脳同士が定期的に往来する「シャトル外交」を継続し、未来
志向の関係を強化していくことも確認した。会談で、首相が東アジア共同
体構想への協力を要請したのに対し、大統領は「日韓は同じ価値観を持っ
ており、協力していける」と支持する考えを表明した。首相は会談の冒頭
で、歴史認識問題に関して「歴史に目を見開き、物事を進める勇気を持っ
ている」と表明。その後の共同記者会見でも、日本の過去の植民地支配と
侵略を認めて謝罪した村山首相談話について、「大変重要な考え方だ」と
踏襲する考えを示した。 

 

民主党内ですらどれだけ意思統一が出来ているかは分からないが、鳩山首
相や岡田外相の掲げる「東アジア共同体」構想は、早急に導入しなくては
ならないメリットが見えてこない。EUをモデルにするにしても、そもそ
も東アジアにEU諸国のような共通の理念や価値観、宗教的背景はなく、
中国と言う一党独裁国家を共同体に含めることに違和感を憶える。中国共
産党は多民族国家を運営していくには、今の形が望ましいと考えている以
上は、民主化を推進するわけも無く、価値観の共有が出来るとは思えない。
岡田外相は、構想の対象国として日本、中国、韓国、ASEAN、インド、
オーストラリア、ニュージーランドまでを含めるとし、米国を排除する考
えを示したところ、早速米国側では反発も出ているようだ。平野官房長官
東アジア共同体は、政府の決定方針ではないと述べており「夢」で終わ
りそうな感がしないでもない。