自民党は13日、谷垣禎一総裁の誕生を受けて作成した2種類のポスター
を発表した。このうち1枚は、谷垣氏が総裁選出直後の決意表明で使った
「再生こそ私の使命」との表現を大書。もう1枚は「歩く。聞く。応える。
」と題し、谷垣氏がスーツを羽織って歩き出す瞬間をデザインした。「全
国各地を回り、党再生のヒントをつかみたい」という谷垣氏の思いを取り
入れ、党再生のスタートラインにたつ姿をイメージ。大島理森幹事長は記
者会見で「党の信頼回復に全身全霊をかけ、地域の声を真摯に受け止める
姿をアピールしたい」と説明。ポスターは5万部印刷し、今週から全国の
街頭などに張り出す。

 

野党に転落したことで、有力な支持団体の離反が続いている。自民党が長
期政権で築いた集票システムは、政権にあってこそ機能するものであった。
野党の自民党に陳情したところで、それが政策に反映されるわけもなく、
離れていかざるを得ないのは当然であろう。つまり、自民党は集票力が絶
対的に低下した状態にあるのだ。党再生とは、政権を取り戻すことが唯一
にして最大の目標となるのだろうが、今のままでは敵失を待った上で、無
党派層を引き寄せる以外に勝つ術は無い。それをどう打開していくか、谷
垣総裁の腕の見せどころと言いたいが、相当地道な作業となるのは間違い
無い。谷垣総裁は小泉元首相のようにパフォーマンスが出来るわけでも無
く、またパフォーマンスをしたとしても、同じ効果が得られるわけでは無
いのだ。人気を得ようとして、慣れないパフォーマンスをすることだけは
お勧めしない。今こそ「保守」とは何かを示して、自民党の結党時の党是
を思い出すべきだ。民主党の政策に追随して、中途半端な政策を打ち出す
ようでは、結局は自らの足腰を破壊することになるだろう。