共同通信社が10月31日、1日の両日に行った全国電世論調査による
と、鳩山内閣の支持率は61・8%だった。高支持率を維持しているとは
いえ、9月中旬の発足直後の前回調査に比べ10・2ポイント下落した。
経済・財政運営への不安、米軍普天間飛行場移設問題を巡る発言の迷走、
官僚OBをあてた日本郵政社長人事などが影響したと見られる。鳩山由紀
夫首相と、民主党小沢一郎幹事長の関係についても「首相がもっと指導
力を発揮するべき」が74・4%に上った。相変わらず高い支持率を保つ
鳩山内閣だが“ご祝儀相場”は終わりをつげたようだ。発足直後に比べる
と支持率は10ポイント以上下落。内閣の不支持率は9・8ポイント増え
て22・9%だった。個別の項目で見ると、日本郵政社長に斎藤次郎元大
事務次官をあてた人事に関しては「評価しない」が49・4%と、「評
価する」の27・0%を上回った。61・4%が、鳩山内閣天下り禁止
方針と「矛盾する」と回答。首相は「退官後14年間、民間に勤務した。
適材適所の配置」と説明しているが、国民から十分な理解が得られていな
い実態が浮かび上がった。

 

政権発足時の世論調査では70%超えの高い支持率を叩き出したものの、
これはいわゆる御祝儀相場による数字であって、あくまで期待値であった。
発足から1カ月半が経ち、選挙前の威勢のいい言葉とは裏腹に、国民を不
安にさせるような言動や行動が目立ち始めている。特に経済・財政運営に
ついては、国債の増発が囁かれるなど、予算編成には注目が集まっている。
大幅な税収の落ち込みが確実視され、2010年度予算で赤字国債を増発
する可能性は大いにあるものの、発行額は麻生前政権が編成した09年度
当初予算と第1次補正予算での発行額44兆円以内に抑える、と明言した
鳩山首相。この1カ月半、鳩山政権を見ていて思うのが、数字が独り歩き
している感があると言うことだ。44兆円以下に抑える、と言ってしまっ
た以上は、何がなくとも44兆円に抑えようとして無用な軋轢を生む、そ
んな構図が早くも予想される。さらに、小沢幹事長への過剰なまでの配慮
が見られ、鳩山首相ですら遠慮している風に見えてしまうのだ。政治主導
なのは結構だが、党内での力関係まで政治の現場に持ち込まれては、良い
迷惑と思うのは自分だけだろうか。