平野博文官房長官は2日午前の記者会見で、来年度の新規国債発行額は4
4兆円以下に抑えることが基本だが、税収が落ち込めば、別途判断もあり
うるとの考えを示した。鳩山由紀夫首相は2日の衆議院予算委員会で、来
年度予算での新規国債発行額について、44兆円を超えないよう努力する
との決意を示した。同長官は「不要不急のものを徹底的に調べて、無駄を
削減して、その財源にもっていくということ」との基本姿勢を確認したう
えで「したがって(来年度の新規国債発行額を)それ以下に当然していく
という考え方を基本に持ちつつ、それ以外の外的要因、例えば、税収が今
まで以上に落ち込んでいくとか、こういうところについての考え方として
は、ひとつにはその財源をどう補っていくかと、こういうところの判断は
別途あるかもしれない」と述べた。

 

新規国債の発行額を44兆円以下に抑えると、お題目のように唱えている
が、これは麻生政権の当初予算と補正予算における発行額の合計である。
本来なら当初予算で発行した33兆円を基準に比較しなくてはならないが、
何故か44兆円が基準となっているのは、果たして如何なものか。さらに、
税収が予想以上に落ち込めば、さらなる増発も有り得ると予防線を張って
いる。麻生政権の補正予算はバラマキとの批判もあったが、景気後退を受
けての緊急批判措置として組まれたものであり、景気を下支えする一定の
効果はあったと思われる。44兆円のラインを超える超えないを問題にす
るのでは無く、民主党が選挙前に言った無駄の削減による財源確保、これ
を早く実現すべきであろう。それが出来ずに国債増発では理屈が通らない
のだ。鳩山首相の「超えないよう努力する」との発言は官僚答弁そのもの
だとも思うが。