自民党大島理森幹事長は3日、青森市内で開かれた党青森県連の会合で
講演し、来年夏の参院選について「比例代表は職域団体の力ですべて当選
させることはできなくなった。地域に根差した選挙運動を展開しなければ
ならない」と述べ、先の衆院選で落選した前議員を積極的に擁立する考え
を明らかにした。参院選比例代表は、政党名と候補者名のどちらでも投票
できる非拘束名簿式。特定地域で知名度があり、個人票が見込める前職、
元職の有力議員を擁立することで全体の底上げを図る狙いがある。こうし
たくら替え戦術は、07年参院選民主党が重用。大島氏は「党員・党友
の意見を反映するのも一つだが、『選挙力』がある人というのも一つの基
準だ」と強調した。

 

野党に転落したことで、これまで自民党を支えてきた業界団体が離反し始
め、組織内候補の立候補を取り下げたり、自主投票を決めたり、さらには
民主党支持を打ち出すなど、頼りにするわけにはいかなくなっている。そ
れを補うために先の衆院選で落選した知名度の高い候補を擁立することで、
得票を見込む戦術なのであろう。むろん公募を行って、新たな人材を発掘
することも必要だろうが、大敗のダメージは大きく、次の参院選で踏み止
まらなければ、文字通り自民党は壊滅的な打撃を受ける。それだけは何と
か回避しなければならず、小選挙区制では無い参院選なら戦いようもある
と言うものだ。民主党小沢幹事長を筆頭に精力的に動いている中で、自
民党も手を拱いている場合でないはずである。