海兵隊普天間飛行場の移設問題で、キャンプ・シュワブ沿岸部に代替施
設を造る現計画や県内移設に反対する県民大会が8日、宜野湾市海浜
園で開かれ、「沖縄にこれ以上の基地はいらない」とする決議が採択され
た。県外、国外移設を掲げながら県内移設も視野に入れる鳩山内閣に批判
の声も上がった。集会は、民主、共産、社民、国民新の各党などの沖縄関
係の国会議員8人と県議らが主催した。自民党は不参加、公明党は自主参
加を決定。主催者発表で約2万1000人が参加した。大会では、保守系
翁長雄志那覇市長が「県民の心は基地の整理、縮小という点では一つ
になれる。(首相が)県外移設を決断できない場合、沖縄では友愛という
言葉は封印してもらいたい」と主張。米空軍嘉手納基地を抱える同県北谷
町の野国昌春町長は、同基地への統合案について「住民の負担は限界に来
ている」と撤回を求めた。

 

普天間基地の移設問題に関して、鳩山政権はいったい何処を目指している
のだろうか。移設先を県外、はては国外と迷走してきた中で、沖縄、特に
移設先に予定されていた名護市では、受け入れ止む無しの姿勢から、徐々
に変化を見せ始めている。鳩山政権の目論みとしては、国外・県外を模索
した上で、最終的な落としどころとして、結局は名護のキャンプ・シュワ
ブ沿岸部を選ぶ、そんな形ではなかったのだろうか。熟慮した上で、苦渋
の決断をする、果たしてそれが友愛政治なのかは疑問なところだが、我が
国の米軍基地の大半を抱える沖縄を反発させるには十分な火種とはなった
ようだ。首相、外相、防衛省、沖縄担当相、それぞれがバラバラの発言を
繰り返し、まとまるどころか混乱をきたしている現状に、誰もが嫌気がさ
している。来年の名護市長選まで結論を先送りにするなどと呑気に構えて
いる場合ではなかろう。オバマ大統領の来日で、この件については注文が
付くことに違い無く、迷走した上に袋小路に突入する結果に終わる可能性
が高い。今回の迷走は移設に対する基本姿勢が一向に見られなかったこと
が原因であり、民主党の限界を露呈したとも言えるだろう。