国民新党新党日本保守系無所属平沼赳夫経済産業相が率いる「平
沼グループ」が、年内にも新党を結成する方向で調整していることが16
日分かった。国民新党亀井静香代表が新党日本田中康夫代表らと協議
に入っている。連立与党内で発言力を高める狙いがある。これに加え、郵
政民営化反対組の自民党議員ら数人も将来的に新党に参加する動きがあり、
最終的に十数人規模になる可能性もある。亀井氏は16日朝、東京都内で
記者団に「新しい保守を結集しようという動きだ」と述べ、年内の合流に
向け田中氏や平沼氏と調整していることを認めた。亀井氏は15日、那覇
市内で開かれた国民新党衆院議員の会合に新党日本の田中代表らと出席。
国民新党だけでなく、田中先生らの知恵と力を借りながらどうやるか。
巨大な民主党に政策実現を迫るには、どういう力学でいくべきか」と述べ、
与党内での発言力を高めるために新党日本との連携を強化する考えを示し
ていた。

 

国民新党は連立政権の一角を占めているとは言え、巨大化した民主党の前
では小政党に過ぎない。さらに来夏の参院選民主党が大勝すれば、国民
新党の存在感はますます霞むこととなり、影響力を発揮するのが非常に困
難になる。そのために参院選を前にし、小政党、小グループ同士が集結し
て、中政党になることで、生き残りを図るつもりなのだろう。民主党が選
択的夫婦別姓の導入や永住外国人への地方参政権付与など、リベラルな政
策を矢継ぎ早に成立させようとしている中で、どちらかと言えば保守的な
考えを持つ国民新党保守系無所属の議員が反発を憶えるのは必至である。
数がそのまま「力」を意味するわけでは無いだろうが、このまま埋没する
わけにはいかない、そんな決意の表れとも見て取れる。自民党衆院選
大敗から立ち直っていない中、連立与党にあって民主党と対峙出来る政党、
それが新党の役割なのではなかろうか。かつて自民党で同じ派閥に属した
亀井代表と平沼元経産相が、こうして再び一緒の政党に属するのは、必然
であったのかもしれない。