民主党小沢一郎幹事長が高野山・金剛峰寺を訪ねた際、キリスト教につ
いて「排他的で独善的な宗教だ」と述べたことについて、日本キリスト教
連合会は16日までに、発言撤回を求める抗議文を小沢氏に送った。抗議
文は「小沢氏の発言は一面的で、それこそ『排他的』で『独善的』だ。責
任政党幹事長の言葉として、その見識を深く疑う」としている。16日の
記者会見で小沢氏は発言の真意について「私は宗教論と文明論を言った」
と前置きしたうえで「死ねば皆、煩悩がなくなるから仏様だ。みんなが神
様になれる宗教が他にあるか?基本的な考え方が違うということを僕は言
っている」と仏教の特質について力説した。小沢氏は、キリスト教連合会
からの抗議文についての感想は述べるのを避けた。

 

小沢幹事長の「キリスト教を背景とした欧米社会は、行き詰まっている」
キリスト教文明は、非常に排他的で独善的な宗教だと私は思っている」
との一方的な発言に、予想通りキリスト教徒の団体から反発が出てきた。
小沢幹事長にとって、自民党寄りだった一部の仏教団体の票を期待しての、
リップサービスのつもりだったのだろうが、さすがに言い過ぎではなかっ
たか。我が国のキリスト教の信徒数は約260万人程度とされ、仏教界と
は数の上では比較にならないのは確かだろう。だからと言ってキリスト教
を軽んずるような発言をして良いわけも無く、宗教者でも無い小沢幹事長
が宗教論や文明論を打つのは、違和感を憶える。仏教の中には、他宗を邪
教と攻撃するような排他的な宗派もあり、小沢幹事長の宗教観が一律通用
するわけでは無かろう。素直に謝罪する選択肢を考えるべきだ。