鳩山由紀夫首相が今月13日の日米首脳会談でオバマ米大統領に対し、米
普天間飛行場移設問題に関し、「私を信じてほしい」と述べたことが1
9日、分かった。大統領は「もちろん信じます」と応じた。首相はこのや
り取りを同日配信の鳩山内閣メールマガジンで紹介した上で、「国民のみ
なさまにもぜひ信じていただきたい」と訴えた。大統領は14日に都内で
行った演説で、「(普天間移設をはじめとする)日米合意の履行」に言及
している。首相の発言をきっかけに、日本側が合意に基づく早期決着を容
認したと受け止めた可能性がある。首相はメルマガで、首脳会談に関し、
「大統領とのゆるぎない強い信頼関係を、心と心で通じ合う関係をつくる
ことが最も重要と思ってきた」との認識を表明。

 

友愛を掲げる鳩山首相は、如何に重要な事項でも真摯に話し合えば分かっ
てもらえるとでも思っているのだろうか。軽々しく「信じて欲しい」と言
ってしまう外交感覚にも疑問を憶える上、オバマ大統領に無用な誤解を与
えてしまった可能性も否定出来ない。迷走し続ける普天間基地の移設問題
鳩山首相がどう解決するのか、受け入れの方針だった名護市が態度を硬
化させてしまったため、本気で国外、県外の候補を探す羽目になったので
はなかろうか。どのような決断を下すにしても、禍根を残すのは間違いな
く、自ら出口を閉ざしたに等しい状態である。さらに問題なのが、首相と
外相、防衛相の発言がまるでバラバラで、閣内不一致で片付けて良いもの
でもなかろう。鳩山政権にとって、普天間基地の移設問題は放置しておく
わけにもいかず、袋小路に陥ったと言える。