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米世論調査大手ギャラップ社は20日、オバマ大統領の支持率が49%に
下落し、1月の就任以来、初めて5割を切ったと発表した。第2次大戦後
の米大統領で50%を割り込んだのは、フォード、クリントン、レーガン
の各氏に続いて4番目に速いペース。景気悪化や医療保険制度改革を巡る
迷走などが影響したと見られる。ブッシュ前大統領が50%を下回ったの
は就任3年後だった。調査は17〜19日、1533人を対象に電話で実
施した。金融危機後に打ち出した景気対策などの影響で、米国の2009
会計年度の財政赤字は史上最悪となり、失業率も26年ぶりに10%を超
えた。国民は景気回復の展望が見えない現状にいらだちを強めており、今
後の経済政策の行方が支持率回復のカギを握りそうだ。
就任から一年もたたずに、支持率が5割を切ってしまったオバマ大統領。
チェンジを掲げたものの、金融危機による景気後退は想像以上の深手を米
国に負わせており、すでに失業率は10%を超えている。そのような不安
がオバマ大統領の支持率を低下させる要因なのだろうが、景気を上向かせ
る政策をどう打ち出すかが課題となる。さらに外交的な成果も出している
とは言い難く、ノーベル平和賞の受賞すら一部では批判の対象となってし
まった。むろん、これから上げてくれるであろう実績への期待、とも受け
取れるにしても、国内がガタガタの状態では批判も仕方なかろう。米国内
では米国と中国のいわゆる「G2」論が台頭する中で、米国の役割は少し
ずつ変わり始めている。オバマ大統領のチェンジが、それをもたらすこと
になるのか、注目したいところだ。